INDD 2013 Tokyo(spring)に行ってきた(第3セッション感想)

はいこんばんは。

先週の土曜日はInDesignの祭典、INDD 2013 Tokyo (spring)に行ってきました。セミナーのレポートとか最近サボり気味なんですが、今回は自分の業務にダイレクトにつながる内容だったので、せっかくだから俺は赤い扉を選感想など書いてみようと思います。他の2セッションについても書こうと思ったのですが力尽きましたごめんなさい……
感想なので、内容のまとめではありません。内容については当日のTwitterの様子がまとめられたTogetterがあるのでそちらを。
http://togetter.com/li/464817
うわっ……私のpost、多すぎ……?(例の顔で

第3セッション:多ページ作成でのInDesignテクニック

テクニカルドキュメント、いわゆる「トリセツ」を日々制作されている西村さんが、あかねさんを相棒に多ページのドキュメントを大量に処理する場合のテクニックを解説してくれるセッション。
立場や仕事量などもろもろ違いますが、私も主な業務は同じくテクニカルドキュメントの制作です。この種の作業の特徴としては、スライドで挙げられていた

  • ページ数が多い
  • ファイル数も多い
  • レイアウトはシンプル
  • テキストがメイン

に加え、

  • ほかのページへ誘導する記述が大量にある(X章のXを参照、XXページを参照、など)
  • ページ増減が頻繁にある(途中のページに記述がどっさり追加され、以降の改ページ位置などがすべて変わる)
  • 改訂が多く、データが長年引き継がれ続ける
  • 改訂サイクルが早い(ことがある)

などが挙げられると思います。
下版した次の日から改訂作業開始とかざらにあったり。逆に5年も前のデータを掘り起こしたり。最近は時代の流れか紙のトリセツも減りまして、最終的な出力がPDFでWeb掲載だったりすると、数百ページあるのに作業期間は1〜2日とかね。ありますね。
数百ページのドキュメントにちりばめられた「詳しくはXXページを参照してください」って記述を手作業で検索して参照元と引き合わせて違ってたら手で数値打ち直して……とか、ページ増減で内容とずれてしまった柱テキストを目視確認してちまちま修正して……とか、「テキスト修正だからそんなに時間かからないでしょ? PDFだし、できたらすぐちょうだい」、と、か……考えただけでSAN値*1ががりがり削れていきます。

そんな作業をInDesignで(正気を保ちつつ)効率的に行うためには、どんな機能をどう使ったらいいのか? というのが今回のセッション。
その内容ですが……いやー、濃かったですね! ものっすごいボリューム。

  • テキスト変数
  • 箇条書き
  • 相互参照
  • アンカー付きオブジェクト
  • ブック
  • 目次
  • 索引
  • (条件テキスト)

まさに普段業務で使っている機能ばかりで嬉しくなってしまいました。
逆に、初めて「この機能ってこういう時に使うのか」と知った人もいるんじゃないでしょうか? Adobeのヘルプではそれぞれ別の箇所に記述されていて、こんなふうに逆引き的に関連付けてまとまってはいないんですよね。機能の存在と概要を知らないと調べようがない。そもそも自動番号が箇条書きってどういうことなの……とかね。
セッションでは、取り上げたそれぞれの機能について、何がどう効率化できるのか、どう設定したら使えるのか、使うときの注意点は何か、を丁寧に説明していました。
この「注意点」のところが実はセッションの目玉だったんじゃないかと。ものすごく実践的で、「あるある!!」と何度も何度もうなずきながら聞いてたり、もちろん初めて知るものもたくさんあったり。単なる機能紹介や公式のヘルプでは絶対出てこないですよね、箇条書きの自動番号で51番目以降は丸数字が使えないとかw
設定方法についても、普段使ってる部分以外はあいまいにしか理解していなかったのできっちり復習できました。索引の参照形式とか、アンカー付きオブジェクトの位置オプションとか。後者はスライドで視覚的にまとめられていてわかりやすかったです。今まで回りくどいやり方をしていなかったか、チェックしてみるいい機会になりました。


実を言えば、これらの機能は日々使っているものの、他の環境ではどんなふうに使われているんだろう……といつも思っていたんですよね。よそで制作したデータを見ることが一切ないので。Webで検索してみても、実践的な内容はなかなか出てこないですし。
もっと効率的なやり方があるのではないか? むしろ根本的に機能を勘違いしていたりしないか? と不安を抱いていたのですが、今回ピンポイントでテクニカルドキュメントの例を見ることができ、おおむね方向性は間違っていないとわかって心底ほっとしました。そのテンションの結果があのpost数だよ*2


改めて今回紹介されていた機能を俯瞰してみると、何をおいてもまずは「ドキュメントを(データ上で)構造化すること」がはじめの一歩になるんだなあと思います。変数、相互参照、箇条書き、目次などなど、「テキストに適切なスタイルが設定されている」からこそ使えるんですよね。
逆にこれらの機能をフルに使いたいなら、それを前提にしたスタイルの設計をする、というのも必要になってくると思います。「見出しだから文字を大きくする段落スタイルを付けよう」ではなくて、「見出しとして使いたい段落だから見出しという段落スタイルを付けて、見た目でも見出しとわかるように文字を大きくしよう」という感じ。
データを構造化しておくと、さらに進んだ自動処理(たとえばスクリプトを使うとか)をしやすくなったり、Eなんとか形式にするときにもたぶん比較的スムーズだったりと、メリットは多いと思います。


あとひとつ、大事だと思ったのは、最後のまとめにあった「自動だからと安心しないでチェックは必ずしよう」です。
各機能の注意点を見返してみるとわかりますが、自動更新されたりされなかったり、テキスト量によってオブジェクトが重なってしまったり、自動挿入されるテキストが手動で修正できてしまったりと、落とし穴も結構あります。相互参照まわりとかちょいちょい怪しいし*3
自分の仕事では、修正作業に時間がかからない分、チェックは念入りに……というつもりでやっています。
終了まぎわに西村さんがぽそっと言ってた、「あくまで入力支援ですからね」という言葉を肝に銘じておきたいですね。

というわけで

InDesignかわいいよInDesign
横見出し機能搭載はよ
貴重な話を聞かせていただいてありがとうございました! 姐さん、よければ次は条件テキストも教えてください!

*1:正気度

*2:参照元と参照先を間違えてるところがあって赤面

*3:相互参照、便利でかわいいやつだけどダメなところもたくさん知ってます。こちらのBlogに詳しいです→ InDesignerの悪あがき ブログ内検索で「相互参照」を検索するといろいろ出てきます。