DTP Booster 013に行ってきた

Adobe CS5の発売にあわせて表参道で行われているイベント群、その中で3日連続で開催されたDTP Boosterの最終日のセミナーを受講してきました。
テーマは「スクリプト(入門)」。
私もなんとかスクリプトを自作するところまでは来ているので、自分のためというよりは「スクリプトの有用性をどう伝えるか」っていうところを知りたくて参加しました。……こう書くと偉そうだな! 自分のためでもありましたよもちろん!
セミナーの詳しい内容については、リアルタイムで配信されていたUstreamの録画映像がありますのでこちらで。いい時代ですなあ*1

IllustratorJavaScriptでつくるおしゃれアートワーク(秋葉 秀樹氏)

タイトルはIllustratorですが、まずはCS5からInDesignにも対応するようになったAdobe Configuratorの紹介から入っていました。以前東京DTPの勉強会第0回で樋口 泰行氏が紹介されていたものです。2.0にバージョンアップして、メニュー名などが日本語になったそうです。
Adobe Configuratorの何がいいって、とにかく「作りやすい」ことだと思います。いつも使っている機能をポイポイとドラッグ&ドロップしてボタンの形で配置すれば、それだけで便利なパネルが作成できてしまう。「アプリケーションをデフォルトのまま使うのではなく、自分用にカスタマイズする」という行為のとっかかりとしては最適じゃないでしょうか。更にスクリプトFlashの知識があればもっと便利な物が作れるわけだし。
問題は今のところ最新のCS5でもPhotoshopInDesignのみ対応ということですね。むしろこれIllustrator向きの機能じゃないかと思ったりするのですが、予定は未定だそうです。

そして予告されていたIllustratorでのランダムちりばめ系スクリプトの作成について。実際にコードを書きながら、実行しながらの解説でした。
ランダムな数を返す関数を自分で作ってそれを利用したりとか、イチから覚えようとしたらそこそこ難しいところじゃないかと思うんですが、そこをさらりと流して難しさを感じさせず、「何が出来るか、何が起こるか」を見せてくれていたと思います。
セッションの最後で実演された、たくさんの種類のシンボルをちりばめて「おもちゃ箱をひっくりかえしたような」オブジェクト群を作るところでは、(私も含めて)会場のあちこちから歓声が上がりました。あの技はそのままデザインにも使えそうです、というか明日さっそく使う気満々です。ちょうど使えそうな仕事があるんだこれが。ラッキー(・∀・)

とにかく進行のスムーズさが印象的でした。あれだけよどみなく説明しながらコード書けるとか凄い。詳しく説明しないことでわかりやすくなるってこともあるんだなあと非常に勉強になりました。真似は出来そうにないけど!

DTP作業を楽にするスクリプト入門(たけうちとおる氏)

まず怒濤のスクリプト紹介から始まりました。InDesignIllustratorを対象に、テキスト処理系、画像配置系、パス描画系、面付け系と多岐にわたるスクリプト群を次々に実演。
いろんなことできるよなあ……と感心しつつ、私が気になったのはInDesignスクリプトパネルにフォルダに分けて収められた大量のミニスクリプトでした。たとえば(実演にも含まれていましたが)表組の線幅を決められた値に変更するためだけのものとか。確かに実際自分で使うときは、GUIでいちいち数値を設定して実行ボタンを押すよりも、数値などの設定を決め打ちにした小さなスクリプトを必要に応じて選んで実行するほうが手間が少なかったりします*2。単機能のものなら作るのも楽だし。

その後は、楽しみにしていたスクリプト作成の実演。事前に出ていたお題*3「PDF書き出しスクリプト」を試行錯誤しながら作るという内容です。
要件を整理し、わかるところから書き始め、わからないところはオブジェクトモデルビューアを使用したりネットで検索したりしながら書いていく。ある程度まとまったところまで書いたら実行してみて、エラーが出たらその内容を見て修正、さらに書き進める、という、まさに試行錯誤の過程をそのまま見せてくださいました。
実は、講義を聴く前に私もこのお題に挑戦していました。エラーばかり出て思った以上に苦労したのですが……今日の講義を聴いてみてびっくり。私がわからなくて調べた箇所、書く順番、やらかしたエラー、それらがほとんど同じだったのです。ちょっと嬉しかったですね。
自動処理系の本に書いてあるスクリプトやネットで検索して見つかるスクリプトは、たいていの場合すでに整理されてそのままコピーすれば使えるようになっています。そのおかげで便利に使えるわけですが、真似して書いてみよう! と思う学習者からすると、模範解答があまりに完成されている場合「これ、どっからどう書いたらいいんだろう。そもそもどこから読めば……」と思ってしまったりすることがあります。その意味で今回のセッションはとても参考になる、そしてとても勇気づけられるものでした。失敗しながらでいいんだ!

ついでに、せっかくだから

次の記事で、たけうちさんの出された「お題」に対する私の回答を発表しようと思います。それもただ書くだけではもったいないと思い、作成過程で何を考え何をやらかしたかすべて書き留めておいたものを、そのまま。いわば実況形式です。
後出しジャンケンのようですが、実際書いた時のまま無編集で載せますのでOKということにしてください。
……しかし、書いてたときは意図も想像もしてなかったことだけど、セッションの内容とダダ被りなんだよなあ。あんまり意味がないかもー(´・ω・`)

*1:Ustでの公開と参加費負担についてはなかなか難しい問題なのでしょうが……

*2:ただ、Illustratorの場合はスクリプトパネルが用意されてないので……

*3:私は勝手にInDesignだと思いこんでいて実際その通りだったのですが、実は対象アプリケーションについては明記されていなかったらしいです